雨/アマメ庵
 
ゃないか
ぼくは 罵った
だいたい何だって着いてくるんだ
着いてくるのは勝手だが 足を引っ張るな
彼は水溜りに 膝も手も付いて 頭を下げていた

止まらなかった
彼は悪くない 
わかっていても 怒りが収まらなかった
頭を下げる彼の肩を ぼくは蹴った
彼は大きく後ろに倒れた
ぼくはザックを拾い上げる
中から小さな袋を取り出すと 彼に投げつけた
彼のために買った 僅かな着替えが入った袋だった

もう着いてくるんじゃない

言い残すと ぼくは歩き出した
ずっと彼が背負ってくれていたザックは
重たかった

すでにぼくは悔やんでいた
彼は悪くなかった
彼はいつも
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