僕の親友/yamadahifumi
いっと飲み切る。僕には、ツダの言っている事が、完全には分からないのだが、その意味を把握しようと試みる。・・・僕は優しいのだ、と自分でも思う。ツダのような人間の言葉を聞く人間は、僕以外には一人もいないに違いないのだから。
「なあ、生きる事って、どういう事か、分かるか?」
と、ツダは僕にツダにお馴染みのーーーーーというか、飲んだオッサンに特有の(ツダも僕もまだギリギリ二十代だったが)質問を発してきた。
「・・・さあな。どういう事なんだ?」
と、僕は相手の話を聴く態勢を取ってやる。
「生きる事っていうのは・・・・いや、そんな事、言うまでもないか。キミはサラリーマンをやってるんだろう?
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