冬に花火はやらない/一尾
への愛情の単位を破滅で測りたがる癖があり私の手を取っては濁った川に誘おうと格闘していたせいちゃんの為に私は破滅を期待されていた
私はそんなせいちゃんに対し不明瞭に微笑みながら足払いを掛けてせいちゃん一人が転ぶように仕向けていた転ぶなら一人で転ぶが良いと思っていたせいちゃんのことは好きだったが一緒に破滅してあげる気は毛頭なかった私は結構この技が上手かったしかし歪に指を絡めて繋いでいる手は離さないので結果として私も一緒に転ぶ羽目になっていることが常であった今覚えば馬鹿としか言いようがないがその時は何故かその足払いに疑問がなかった
せいちゃんが私のせいでおかしくなっていくのを見ているのは奇妙
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