200円のコノテーション/飯沼ふるい
ボタージュとして許容されるような詩への
当てつけでしかないから
慰められているのは誰でもない
あなたでも、私でも。
コーヒーを啜るが、シガレットはあいにく切らしている
卵の殻を砕き
固い黄身でむせ返る
開くニュウスペイパー
語れば表れるのは私
語られるのを待つ全ての語彙
古い批評で測られる身体
痣を撫でる手のひらのように不吉な
光の淘汰が頬骨を削る、ガサゴソと油脂臭い紙を捲り
これからの天気を眺める、と、既にもう
明日の襞が雲の影からうねり始める
夕立、
その通りだ、
語るべくして振る雨
夕立なのだから、既にもう
朝ではない
何者かに拿捕され
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