血縁/葉leaf
 
を呑み込んでいこうとする。やはり血縁は哲学などではなかった。それは無限の無意識のようなものだ。逆に言うと、不意にぽつぽつと降ってくる雨のようなものだ。むしろ私の抵抗の方がずっと理論的で哲学の名に値する。父と母がいて、その上には祖父と祖母がいて、さらには兄弟がいて、そんな烙印の連鎖がとんでもない深さと連続性で私の何もかも、とくに私の秘密や隠し事までをも物語の一章と化してしまう。私の矮小な意識など、その言葉を超えた物語を拙く批評することしかできないのである。そして血縁は窓を開く。そして、開かれた風景にさらに窓を開き、窓はどこまでも連続して開いていく。私は性的に私である。性的に動物と、植物と、鉱物と、欲
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