血縁/葉leaf
、欲望し欲望される関係が初めからできていたことに気付く。血のつながりは欲望のつながりであり、恋愛はすべて姿を変えた血縁である。愛し合う者同士はお互いに血縁を与え合って、また奪い合っているのだ。私は道を歩き、野良猫に血縁的に欲望し、野の花に血縁的に欲望し、石ころに血縁的に欲望する。空間とそれを飾る有機体たちは、どろどろとうねっていく血縁の海に一括りされ、私は何もかもと結ばれ、全てのものに烙印を押しまくる。復讐だ! 自分に押された烙印を、世の中に押し返していくこと! 例えば履歴書には私の烙印が押されている。それでもって企業に私の烙印を執拗に押し付けてくるのだ。私の人生は血縁に対し血縁でもって復讐する、ただそれだけの物語だ。
戻る 編 削 Point(6)