博愛テニスラケット主義/カンチェルスキス
な顔をするか。特売品のユンケルを休憩時間にくすねていたのだ。彼は、それを四次元ポケットにしまった。のび太を助けるのもたいへんだなとおれは思った。誰にも言わないからというハードボイルド風におれは笑顔を向けた。だよ、って彼、ドラえもんはパナマから取り寄せた葉巻を深々と吸った。おれは鶏釜飯の素なんてどうでもよくなった。カートに乗り込んで遊んでるこどもの声が聞こえた。あいつも今はつるつるの金玉だが、いずれ誰にも顔見せできないマングローブの森になるんだ。そう考えたら、みんなギリギリのところでいる。誰もがきりきり舞いだ。ドラえもんがこっちを振り返った。なんて青白い顔だ。病気かもしれない、不知の病かもしれない、
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