博愛テニスラケット主義/カンチェルスキス
い、とおれは思ったが、そんなふうに思うのは間違いだなと気づいた。ドラえもんを食ったら、胃の中で四次元ポケットは消化されるんだろうかと考えた。胃の中の四次元ポケットは何次元だ。ちょっとわからなかった。それがおれたちの永遠の別れだった。食品売り場を通り抜け、うらさびれた商店街の雑貨屋で本を収納する500円のラックを買った。100円玉のギザギザで大根を下ろしてくれる女がいたら、自分はどう感じるんだろうと考えた。四畳半のアパートなんておれにはあまりにもお似合いだ。お似合いだからって、四畳半のアパートと結婚するわけにはいかない。どんなに相性があったとしても、結婚するのはまた別の話、ということはよく耳にするこ
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