戯曲(習作つづき8)/星☆風馬
 
でさえ、紗倉真奈の前で全裸になれば起たなかったチンポはギンギンに起ってくるし、あいつがにっこり微笑むだけで、おれたちを否定した全ては逆におれたちのものになった。紗倉真奈を抱きよせ唇を合わせたとたん、身につけている安物の腕時計もネックレスも着ている服も黄金の財宝のように輝いてくる。そのときおれたちは王様だった。そしてそのときあいつはどこか高貴な家の乙姫だった。おれと真奈は、いや、真奈の客たちはみな、彼女と寝るとき全世界を所有していたはずだ。真奈を前にして展開された光景は、あの幻のような光景は、おれたちの錯覚だったのか?奈津さん、答えてくれ!あれは錯覚だったのか?おしえてくれ、奈津さん!」
奈津 「
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