戯曲(習作つづき8)/星☆風馬
「……」
せむし「錯覚でもいいさ。それで生きていけるなら」
父 「馬鹿野郎、それはおまえの錯覚だ!おまえは真奈を金で買った下劣な野郎だ!」
せむし「ちがう!おれは金はいくらでも用意した。金じゃない、あいつは、紗倉真奈は金なんかどうでもよかったんだ!」
父 「だったらどうしておまえは力づくでも真奈を奪わなかったんだ?なんでしこしこ毎日フーゾク通いして満足してるんだ?真奈の体をもてあそんでただけだろう」
せむし「あんたの方こそ、あいつの死に際にのこのこ現れやがって。あんたは思っただろう。哀れなフーゾク嬢だ、哀れな震災孤児だ、と。だからあんたは隠しつづけたんだ。奈津さんに本当の母親がいる
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