戯曲(習作つづき7)/星☆風馬
 
 どんどん雲は月のおもてを研いで飛んでゆく
    ひるまのはげしくすさまじい雨が
    微塵からなにからすっかりとってしまったのだ
    月の湾曲の内側から
    白いあやしい気体が噴かれ
    そのために却って一きれの雲がとかされて
    (杉の列はみんな黒真珠の保護色)
    そらそら B氏のやったあの虹の交錯やふるえるひと
    りんごの未熟なハロウとが
    あやしく天を覆いだす
    杉の列には山烏がいっぱいに潜み
    ペガサスのあたりに立っていた
    いま雲は一せいに散兵をしき
    極めて堅実にすすんで行く
    おお私のう
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