川柳が好きだから俳句を読んでいる（５、前原東作のこと）/黒川排除 (oldsoup)
る。複雑な機械を気兼ねなくホイッと投げているようだ。新興俳句の洗礼を受けいわゆるガワの部分がメチャクチャに進化したが、十代の頃から育まれてきた詩情はまっすぐ茎を伸ばし花を咲かせている。
鴉のカオス
白衣ぬげないまま
日昏れ
祝日が 鳴る
僧衣の樹脂を
とかしはじめ
そして多行俳句も経験している。もちろん高柳重信ほどぶっ壊れてはいないが、リズムを与えるための区切りとしての改行をうまく使いこなしている、そこには探究心と同時に野心すら見えるのだ。しかし人間は老いるもの、前原東作もまた老いた。具体的に言うと詩情が少し枯れて、代わりに日常の風景が滑りこんでくる。更には
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