連詩 「あづさゆみ」(百行) ベンジャミン 鵜飼千代子/鵜飼千代子
 

雪が溶けるのを心待ちにして
花の支度を整える雪割草たち
まだ、
花芽に気付けない桜のつぼみも
もーいぃかい?と、待っている

「あ」からはじまって
つづいていく言葉をどれだけ知っているか
さほど大切にしていなかったら
ゆっくりと後退してしまうよ
見過ごしている日々の中で

流れに沿わないと置いていかれるって
水戸黄門のオープニングテーマ「あゝ人生に涙あり」の2番みたいだね
だけど辞書は
好きな場所から読んでいいんだ
2頁抜かしも、100頁抜かしも

そう、そんな速度で
待ち遠しいものはいつまでも遠いけれど
近づくほどに気持ちは加速していくんだ
それは鼓
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