連詩 「あづさゆみ」(百行) ベンジャミン 鵜飼千代子/鵜飼千代子
 

絡まる足先の衣服に捕らわれず
伸せて行け
たとえひとりきりが約束される道行きだとしても

けれど忘れてはいけない
小さな息づかいのひとつひとつが
命となづけられたすべてがひとつとなって
静かに寄りそうように生きてる自分がいる
ひとりとは必ずしも孤独ではなく そう

感じるでしょう?
泡立つ肌を被うベール
気付くでしょう?
はじける喜びを見守る眼差しを
そうしたら ひとりは孤独なんかじゃない

少し視線をそらした先に
いまにも動き出そうとからだをしならせる
そんな小さなものたちと手をつなぐことは
いつだってできることを
忘れてなんていないでしょう?


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