383/鯉
穢衣
白んだ爪の月を眺めていると隕石が降ってきてクレーターが隆起した。庭のカテドラルは健全。おれはくたばる。スルメイカをかじりながら時計に暗唱する名前なまえそれだけを繰り返していることの意味、おれはくたばる。月の表面にはいっさいの楽器が用途を永遠に失われたまま漂流し続けている。木々のゆるやかな波が宇宙を汚して言う。とてもきれいだ、そのまま消えてくれ。
集塊
過食症と拒食症を繰り返している間に口の回りから糞の臭いがするようになった。点滴のチューブになった気分は朗らかで、苦しみが少ない。わたしは大きく尻から息を吸い込んでいる。アニメのキャラでそんな感じのがいたことを思い出しながら
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