純潔な眠り/HAL
が襷である駅伝の様だなと想いながら
ぼくは香港の余り賑やかでない場所から場所へと
時計を見ながら遅刻しない様に早足で次の場所に向った
そしてスラム街に入ったら
そこに汚いランニング・シャツと薄汚れたズボンを
履いた男が現れてぼくの手を引いてすぐ側の小屋に引き入れた
お金は?とぼくが訊くと要らないと答え
空いている木の長椅子に横たわる様に言って
暫くすると火の点いた煙管を持って来て
ぼくにSlow Slow OK?と訊いてきたので
ぼくSlowly Slowly だろうと想いながらOKと返した
何故阿片をと訊かれると想ったよ
ジャン・コクトーの【阿片】を読み執りたかっ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)