雪迎え(2)/ブライアン
 
ていた。山の上まで友人と競争をする。頂上から眺めた景色は、山に茂った木々ばかりだった。鉄塔が連なってたてられていた。電線が青い空に五線譜を貼っているようだった。雀が電線の上に乗っている。指で電線を切れば、雀たちは飛び去っていくだろう。山の向こうか、それとも街の方へか。

 ツバメの巣が分校の屋根に作られていた。バジュラールだっただろうか、ミシュレだっただろうか。ツバメの巣は唾液とガラクタで出来た極めて汚い家だ、と書いていた。崩れそうな分校の扉を開く。床が抜けている。カビ臭いにおいがする。誰かが遊んだ場所には見えなかった。唾液とガラクタで出来た建物のように思えた。

 生まれてからずっとこの
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