雪迎え(2)/ブライアン
 
木がある。小さなころ、大きな芋虫が恐ろしくて近づけなかった。恐ろしく大きな木だと思っていたが、それほど大きくもない。桑の木も年老いて縮んでしまったのだろうか。
 日が暮れる。太陽は赤くなる前に、山に姿を消してしまう。日が暮れると周囲は突然暗くなる。山の輪郭をなぞる様に光が放たれている。

 米沢盆地の北にそびえる竜樹山は標高300メートルに満たない小さな山だ。竜樹山を越えるとゴルフの打ちっぱなしがある。そこからは山道が続く。かつては林業で栄えた部落も、車の発達とともに廃れていった。分校があった場所には人の住んでいた形跡はほとんど見られない。分校だけが草木に覆われて立っているだけだ。

 
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