風俗考 幇間の部/salco
 
りながら檻を望み、自らを型に嵌めて安んじている。

 そして女の方はと言えば、結局は大方が「人並み程度」の安定を望み、後付けで個人生活の対社会的居住性を検討し出すようにな
っているのだ。暮らしの現実は遊びじゃない。イコール、遊びの余裕もない生活レベルに自己存在を賭ける価値はない。
 食うにも事欠くド貧困から自分を救い出してくれる君に焦がれる時代ではないにせよ、「何の為の苦労か」が、共生には問われる。
生活全般の妥協や忍耐がこの先報われるか否か、そこに男の器量が関わって来るのであれば、谷底の景観に二の足三の足を踏むのは
人情だ。ステキな彼が能なしだから/夢見る夢子の元手も尽きる てなわけ
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