風俗考 幇間の部/salco
 
もない。これは男という攻撃性・支配欲が強いジェンダー、又それを発揮しなければ脱落を余儀な
くされる「役」を負わされた社会動物が、一方でいかに組織的規律に安堵するものか、既成概念に基づき自己像を構築しているかが
知れる好例だろう。
 灰色スーツにラッシュアワーと高層ビルにetc.(下らねえ上司に毎日マウンティングされる屈辱など)という、のし上がる為に
は苦杯を重ねるスタンダード路線を離脱した気で、あるいはみみっちい定収入からの脱却を目論みながら陥っている、この社会モデ
ルに対する強いこだわり。あるいは依存の自家撞着。
 総じて自分の気分に従う女との、これが一番大きなズレだろう。吼え猛りな
[次のページ]
戻る   Point(3)