flower adjustments/水町綜助
なかも
またひとつのパブリックだった
ぼくたちによって切り分けられた時間が
彼らの意識にない以上
そんなことはありえないことだったが、
相反する流れがぶつかるこの水柱の回りに
流れ出した垂直の流れが
ぼくたちを流しつくせばよいのだが、
それにはぼくたちは
すこしだけ流線形すぎた
ビックマウスシャークのホルマリン漬けよりは
夜が傾き
ぼくたちは
ドラッグを求めた
町のなかに氾濫しているはずだったそれは
見知らぬ町をどれだけ歩いても
ついに見つけることができなかった
路地を曲がり
斜めの坂をのぼり
マーケットを抜け
なお暗い渡り廊下をくぐり
燠が赤くひ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)