街の絵/月形半分子
に山積みとなり、そうしてやっと、その上にベレー帽のように真っ白な蓋を、斜めに可愛らしくかぶっているのです。
そのごみ箱のまわりには、入りきれなかった様々なものがプレゼントのように、下に積まれています。
なんて美しい景色なのでしょうね。まるで、果てしない旅を行く長い長い列車のよう。もしくは果てしなく静止し続ける長い長い列車のようかもしれません。街で1番美しいものは、このごみ箱の列なのでした。
見たこともない光景ですって?
そうでしょうとも。これは私が今、書いている絵なのですから。
綺麗な青い空、綺麗な青いごみ箱
美しい白い雲、美しい白い蓋。
色とりどりの花、色とりどりのごみ。
あ
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