もっとも崇高な単純/ゆったいり
 

この人は皆のために命も心もすり減らして消えた

皆はどこに向かっているのか
おカネはモノを少しづつすり減らしながら、世界中を意味もなく回る
ヒトはココロをすり減らしながらそれを助けて
イノチをすり減らしながらその意味を問う

ひとはあまりに小さいものは見えないけど
大きすぎる物も見えない
ぼくらは舗装道路を歩きすぎて
もう土の道は歩けない
ぼくの目の前には、桃源郷行きの舗装道路が何本も伸びている
その横の看板の文字は、にじんでもうほとんど読めない

ぼくらはほんとうのことを見なければならない
雲のような観念に振り回されて心を削る人がいる
地球を削りながらコマの
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