幕切れ、予感/すみたに
うに、 そして見下ろした
大陸を見渡して地図を引き裂けばいい
躊躇う指先から引きちぎれていく、
痛まずに血ばかり出る
星はたなびく木々に絡め取られた、
その鉤爪に連れられて 油断ならない影が飛び交う、
嘴でつつかれて 眼の玉をひん抜かれても 翼を
折り畳んだまま 刃物を隠している
もう遅い、余りに遅い 街灯の守護が声に出さないで
言った ここをどこだと思っている
夜は訪れなかった、 だから雲が一つもなくなって、
朝が訪れることもなかった、けれど誰も悲しまなかった、
誰も眠らなかった、
雨が降らないことについて、 誰
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