ある時友達が欲しいなら、と言われた/すみたに
まる。
一人で歩いていると、大概誰かに会う。
大概誰かも知らないのだが、
向こうはわたしを、知っている、ような眼をしている、
今も、
唇をすぼめたわたしを、そいつがほほえみで舐め回す。
「あの、きみ、少し話聞いてくれないかな、
きみみたいなこに是非紹介したい事があるんだ」
「あ、でも丁度もう行こうと思っていたんです」
「うんうん、時間はそんなにとらないからさ」
偽物の大理石に座って、傷み始めたわたしの尻が、
もう立ち去りたいと、ぴくぴく震える。
「興味ありません」そう言うと、
唾を掛けられた。「死ね!」
それはわ
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