ある時友達が欲しいなら、と言われた/すみたに
 
はわたしのセリフだ。そう思ったが、
  竦んだすきに、そいつはわたしの腹に蹴りを入れ、走り去った。
  わたしのお腹の中で、オカマ野郎が孕ませた、
  形のない胎児が破裂した。
  わたしは無色透明の流産をした。 
  その日の夜、わたしは報告した。
  あー、あほくさ、死ねばいいのに、そいつ。鸚鵡顔でそうほざく、
  几帳面なオカマ野郎が、アパートの一室で青色の錠剤を、
  処方外の五粒も飲んだ。
  まもなく水気を帯びる太い指の間に絡め取られたわたしの髪の毛、
  激しい心音が、胸につけたわたしの耳に聴こえる。
  あほばかりが真実を称し始めて、
  それらしいことを語り始める。耳は犯され続ける、口でもなく、尻でもなく。
  そしてとうとうそいつが、興に乗り、豪快な息遣いの中から、
  ゲロを吐いた。
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