理想と現実/清風三日月
 

そんなオルゴールは…
子供の手の平に…
乗ってしまうような…
小さなものしか無かったから…。

惨めだった…。

大したプレゼントは…
出来ないからと…
色々考えて決めた…
オルゴールのプレゼント。
しかしその…
オルゴールですら…
小さな物しか買えないのだ。

これが現実だ…
とレジの列に並ぶ。

笑顔の列に…
僕も並ぶが…
悔しくて涙が溢れ出した。
目の前の笑顔の列が
心に突き刺さった。

それでも買った…
オルゴールを…
大切に大切に…
家に持ち帰ると…
お菓子の詰まった…
長靴の底に…
小さなオルゴールを…
こっそりとしまう。
[次のページ]
戻る   Point(6)