26歳の老後/komasen333
 



「さらば」だと敬礼する甥っ子に背筋を伸ばし敬礼返す



宝くじ買う余裕などなかろうとこのサンダルは言うこと聞かず



冷えきった両親の仲をほんわかと取り持つ我はまさに鎹



海岸に打ち上げられた亡骸にかつての鏡を重ね欠伸



誰のせいにもできぬまま海原でニートは今日も似た者探し



何もかも壊そうとしてキーボード叩いてみるがアクセスは0



穴が空き捨てようとした靴下を重ね履きする冷え性の祖母



取り立てて不安も不満も見当たらぬ時代が続くそう信じてた



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