無題/葉leaf
に体中が狂おしく甘くなったのです、でも僕は恋を禁止していました、だが禁止していたのは相手の少女であり社会であり政治でありそれらの共謀と延々と過去を無の箱へと落としていく作業、その箱を僕は今部屋の隅の棚の上に置いているのです、オルゴールが時間を切り裂きその快楽に逆に切り裂かれるそういう箱です、箱を彩る輪郭に刷り込まれているのは、僕の欲情が垂らす一滴の汗、箱が懐かしいのは箱との距離を勘違いしているから、告白します、僕のすべての断定は勘違いでした、僕のすべての理解は13度くらい傾いていたのです、あなたは自分が生きていることを確かめたくて腕を切ったのですか、血が出て来てやっと自分が生きていることを実感でき
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)