(批評祭参加作品)観察することば/石川和広
つめ始めるほど、そして、なんの見込みもないまま辞めてしまうほど、なんもわかってなかった。自分の状態を。
今考えると自分の状態を、そしてあり方を、見つめることがたぶん、自分の感情や正体不明な変化と付き合う、最大の方法であると感じつつある。
以前、「うつ依存症の女」という本の紹介されている本に「中間の平静さ」という言葉があったのを、よく覚えている。
これは、実は、危機をしのいで行く処方に求められる、精神論ではない事実の感覚を失わないための言葉なのではなかろうか。
日本に「世間」という言葉があり、しかし、詩を書くということは、食えないことであるにもかかわらず、僕は今のところ詩を書いていく
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