(批評祭参加作品)観察することば/石川和広
 
情や平静や憎悪が、衣食住という生活の中で、それなりの歴史が出来ていて、親子の経済的社会的な関係の問題が「わしは、お前のことを心配してるのに」とか、子の側も「そう云う話じゃないんだ!俺の人生の話だ」とかいった、ある意味、世に言う「腹を割って話す」ことにはなるが、年老いた親と、いい年している息子の不毛に近い論争の実態だ。

互いが互いの気持ちを、大切に出来ない。気持ちというか、まともな目で、年金暮らしのオヤジのこれからの身の振り方、つまり、生活に必要なこと、金だとか、死に往く存在であること、そして、働くのは、かなり辛い僕の生計やこれからの世の中における関係の作り方、、こう云ったことが歴史的な感情の
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