(批評祭参加作品)観察することば/石川和広
い方が分かりにくいとき、その分かりにくさの言語と、世に使われる言語の仲立ちをしないと切符は買えない。
ここで必要なのが、世間で使われる言語と、それがわかりがたい人の言語を等価に見て、確実に切符を買うという行動を遂行させること。でないと、目的地にはたどり着けない。
もちろん失敗もした。
しかし、その状況に関わりながらも
「観察」を怠ると、非常に不毛な迷宮を歩くだけで、疲れながら、障害者の、行きたいところ、そして僕の仕事という現実にはたどり着けない。
だから、観察するということは、冷たいことでも、単に遠巻きに見ることでもなく、違う世界を、生きていく困難を共にする、あるいは、一人で渡っていくた
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