(批評祭参加作品)観察することば/石川和広
 
別に障害者について研究しておやになったのではない。だから、彼らの中にも偏見はあるが、僕がその職場で思ったのは、障害者も親も、それぞれ障害という事実を、生まれたときから、手探りで付き合ってきた者達だ。しかし、
それを生きる人と、例えその親であれ、それを育てる側では、共有している部分と明白に
断絶する部分があること。
そして、その間には、親には親の、障害者には障害者の、それぞれの生存、言語の理解のし方に、違いがありながら生活を共有していること。
つまり、そして、その周りを包む世間があり、そこへ、遊びに出るとき、僕はまず、障害者と、僕とで共有しなければならない言語があり、障害者の人が切符の買い方
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