(批評祭参加作品)観察することば/石川和広
機が、彼の育ちかけのひ弱な自己に打撃を与えたことは想像に硬くはない。
彼は、その危機から、なんとか帰環したのか?
なんとも云えないが、異言語を翻訳することは、両言語の、使われ方、つまりそれぞれの国に生きる人々の行き方を観察しながら、置き返ることが必要だ。
この観察が彼を救ったのかもしれないと僕は考える。
なぜか?
僕は以前知的障害の人と、遊びに出る仕事、ガイドヘルプをやっていた。
知的障害者のことを知らない、異世界の人と考える人は多いが、それは、事実、訳がわからなかったりするからだ。単に差別だけ問題と思ってたら、たとえば、知的障害者の親とて、世間のおじさん、おばさんであり、別に
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