下らない独白/HAL
 
もう分かっているだろうけど
ぼくには詩を詠む才はあると
これっぽっちも持っていない

ぼくの詩は詩ではない
詩と云うカタチを借りた
ひとつの質問だし
ひとつの疑問の提示だ

それに答えてくれるひとが
いるのではないかと細い願いに縋って
言葉を編んでいくけれど

どんな言葉を選んでも
結局はこの世界への
ささやかな問いかけに過ぎない

抗議文であったり
疑問文であったり
否定文であったり
批判文であったり
するだけのものだ

そう下らない独白と想ってくれて
ぼくは全然構わない反論もしない
もちろんこれは言い訳ですらない

だからこころに響く

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