消されてしまった詩は舌の裏に隠されていた/すみたに
 
ら豚肉を頬張るお前、わたしは付け合わせのトマト、今お前がフォークで指して台無しにした、張り裂けんばかりの赤いトマト、深緑の蔕はまだ枯れることを知らず繋がっていたかったのだが、人差し指の綺麗に研がれた爪先で抉られて、あっけなくとられてしまった。変革するしかない、空間をねじ曲げずに肉体を、生命を、カラーコンタクトレンズではなくて、美容整形でもなくて、死でもなくて、率直にいえば性転換、ロボトミー、洗脳、そんな理性的な話でもなくて、もっと野蛮な言語による世界、呟いた言葉がすべてフライドチキンとなって消化されて、だらだらした論文を詩句として再構成してミネラル摂取して、血液検査の結果で喉を潤すようなこと、風船
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