剰余のゲファーレン/青土よし
 



1.

 過剰な喪失感に苛まれている。神を宿して居ても、先天的敗北者は苦しみ続けねばならない。嘆かれなかった感傷が、秋の空を曇らせていくように。希望は砕かれるためにあるのだろうか。真実は歪められるべく我々を試すのだろうか。夜に輝く星座の名前を知っていても、それを伝える相手が今ここに居ないのならば、光はまっすぐに夢の中へと墜落し、またしても目覚めは遠ざかるばかりである。天使は不眠症で、自傷癖があった。そして、宇宙で最も正確な図形で以て、私の生を破壊した。破片は焼かれて灰と化し、害虫どもに食い荒らされた。百通りの不幸に嘲笑せられても尚、何が不足していると言うのだろうか。柔らかい壁に爪を
[次のページ]
戻る   Point(0)