泡沫/empty
 





オキーフの骨盤のように
どこか空虚で儚い

想いの海


あなたはどこへ?

孤独な散歩の途中。
夜がまだ私を捉えないから。

夕闇の絶望感が消え
アイスクリームのような夕陽の余韻だけが残る

私は冷蔵庫をあけると
ブルーベリーのジャムを取り出す
硝子の皿に円形に並べたクラッカーに
慎重に
掬い取ったジャムを載せていく

窓の外で誰かが見ているような気がする
人間ではない
何かが

切迫感のない畏怖
獣のようだ

私は窓の外の闇を見つめ返す

無人の廃屋と廃屋の隙間から
遠くの公園の常夜灯が覗いている

無垢の瞳

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