チキン・オン・ザ・ランウェイ/鯉
おれやおまえが押し殺せて、電車の窓枠やページの四角だけで済んだらいいんだけど、実際いつまでも手を上げ続けているのは苦しいことだし、第一におれたちは非可塑ではない。脆弱だ。脆弱な煙。脆弱な煙と飛行機が続いてくる。薄く延びた夜の膜を突き破って。光のペニスで。光のペンで。生年月日を秒刻みに。それにしても夕方だったっけ、夕方だった気がする、おまえが見える。逆光でベタ塗りだけど、とりあえず人間のかたちはしているらしいから、おまえ。おれが見る、長い路地に浮かぶたばこの光だけで存在している。存在を許される。存在を許される? 存在を。
けっきょく、固形の海と点描の建物の結んだ線からユビキタス、そういうもの。と
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)