チキン・オン・ザ・ランウェイ/鯉
。とは思っているのだけど、待っている。そっちを。投げられっぱなしのボールの気分。そろそろたばこの火を付けてくれ。お願いだ。管制塔指示をくれ、調律なんてどうでもいい。けれどおれたちは光の速さを超えなければインクのままで死んでしまうだろう。いまから区役所に行って(行った。)、愛を提起して(提起した。)、陋巷に浮かぶ火種になっても(なった。)、それではまだ会えない。インクは震えない。鳥肌が立つばかりで、肝心の翼が生えなくて、飛行機になれないから。
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