/鯉
いだった。あとは軽薄だった。当時はブスばっかりよく集まった。まともな女の子やかわいい女の子はサッカー少年に憧れるし、おれたちはどうにもそういうきらきらした性質ではなかったから、女を呼ぶにも顔がよろしくないし、それぐらいしか呼べなかった。不思議なもので、アナタハン島よろしくかわいく見えてきたりするものだ。酒を無理矢理に回った気にさせて、女の顔を見ていると、どうにも近視も相まってまともに見えやしないし、頭が下がるから、足だの尻だのぐらいしか映らない。だから、そういうお化けなんだと思うことにしていた。
「久しぶり、あたしのこと覚えてる?」と校門で、誰だか知らない女たちに囲まれながらGが言ったのは
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