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が聞いた。おれはえずきながら「ちょっときつい」と言った。別にきつくもないだろう、そうだきつくもない。鼻にまだ残っているらしくて酸っぱいが、なんにもきつくなんかない。これはなんだ。記憶か。回顧しているのか。こっちにあるのはせいぜいポテトチップスだけど。

 警察の原付の音が聞こえる時間帯に吐き気のするようなGと外に出かけた。ニケツ(二人乗りのことをこう言うらしい)して、どこへともなく行くのだ。公園とか、海とか。それで「語り」、どうでもいい会話だとかをして、それから帰ってきてまた酒を飲んで、その頃には朝刊の原付の音が聞こえて、眠って、三時くらいに起きて、家に帰る。毎日なにを言っていたか忘れた。学校
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