/鯉
吐き戻したばかりの吐瀉物を横目に笑われた。じとじとした夜だ。安酒、いるはずもないような女だの友達だので囲まれている。中学生のころだっけ。わからない。どいつもこいつもペッティングしている、たいした面でもないのにどうして醜く思わないんだろう、とか思っているおれはきっとニキビ面で、自嘲さえ灰皿に突き刺したい。どういうことだ。わからない。Gがこっちを見ている。彼女は中学を卒業してからどうなったかは知らない。告白されて、そのころにはもう彼女は金髪だったから、「めんどくさいのはいや」と、当時のゴタゴタを理由に断った。聞けばそこいらのオヤジに股でも開いているとかいう話だったが、「飲まないの?」とそのときGが聞
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