オッド・ダイアグラム 4/平井容子
 
を描く/地図記号のようにあたりさわりのない写真に本物の家族が香っている/斜めにかしいだ船のふちで/どろどろに解けていく笑顔・・・・・


そんな

そんなテルミンみたいな喉を連れてどこへ行くの/百葉箱に押し込められた妹が尋ねる/そんな未熟児みたいな好意でなにを思うの/チセの港であなたと会う/顔が腐っていく/甘いにおいを放ちながら
ひっくり返った瓶が語る/どこへも行かせないで/ここと/ここだけを往復していて/ずっと/おかしいね、と笑っている/肩で息をして/気がつけばほとんどが天国のような模様の/カーペットのうえで眠っている/頬がなくなっても/舞い上がっていられた/透明な動物がこちらを見る
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