オッド・ダイアグラム 4/平井容子
眠れないことに気づかされてあとはただただ/焦りを好んで梯子をのぼる/そこで立ち止まって見えるほどにその決意が濃い/みじん切りになった炎症がここでも広がりつつあって/たどたどしくそれをあなたに伝える役目をもったわたしの半径がよじれて過去にでも届く/サバン/偽者の/光が徐行している/咲きながら閉塞するリズムに乗って/どこかへと垂れていく/わたしは全体で掌であり/そこにはかそかな低温の星が溜まっている/跳ねて遊ぶ/一匹のよだかのくせに/わたしはついに何にも立ち寄らないままやめてしまった/碇/果てるまで飽いて/痛むまで乞うて/そばには半月形の椅子/頭が下にある動物と旅をしている男のもとで/なつかしい絵を描
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)