オッド・ダイアグラム 4/平井容子
 
あるいは現れていたい/削り殺してもまだとろけた目でひざまずき/許された妹になって捌かれていたい
増殖炉で/希望がいま/はじめて分裂する/わたしは盲の研究者で/半透明のエッセンスの向こうから音を拾って生きている/異臭を放ちながら世界観をなじる作業に戻りましょう/流れた血で明日のカクテルを造りましょう/ライタ/すべてフリー/敵意の影で二手に割れる氷の生命線を辿っている/どこまでも歩いて行けるのになぜか足がない
警戒音の装置を枕にしてハルシオン・カラーのページを食べる/即効性のある徒労にかけようと思う/性能の良い終点で握手するために指だけはとっておこうねと約束したのに/何も持っていない状態でしか眠れ
[次のページ]
戻る   Point(5)