オッド・ダイアグラム 4/平井容子
炎を縫って泳いでいく/香る壁に挟まれて身動きができないなら/自ずから溶けなさいと/凝固したことのないものたちはいとも容易くいうけれど/ストークしていく/ストロークされていく/影と実体を持つYと/通電する世界をロックするNが/あなたの孤独をガイドする
潔癖症のパセリがせせら笑う街の/高台でモノクロームを掲げて見えた/ねじられた岬へとつづく/レンガ造りの家々の隙間にうすっぺらい哀慕の暇がある/孤独は虫だった/責めるにはあまりにか細い力だった/なにものにも変えがたいの、と言いながらいくらでも代替できるもの、なんだ/煎じられた問いかけがどこまでも続く/目覚めないままなら/なんにでも応えること
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