乖離/summer/empty
 

その光は滑り落ちていく
生と死のはざまで
懐かしい香りが漂っている
それは恍惚だ
きみはかすかに綻ぶ
その乾いた顔を歪ませて
そこには
意味も
無意味も
ない

Aria,

彼女の夢はaria だ
断片的に

あくまで
断片的に

切断されていく生の名残とそのラインを
なぞり
涙は無意味に流れている
彼女は無意味にそれを見ている


きみはそれを聞きつける
感覚がそれを覚えている
シーニュでもない
彷徨でもない
脱落した生の名残を

感覚はまだ覚えている

何度でも
何度でも
終わりなく繰り返すものだから
生それ自体も惜し
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