乖離/summer/empty
惜しくはない
眩しい光に目を開けることもできず
死ぬ者もいる
時間の抜け殻のようになって
それは
寂しくもあり
必然でもある
時の残渣は私の喉を潤すこともできない
しかしそれはある
なぜ
あるのかも知らず
それが記憶を呼び覚ます
無意味に
あるいは
有意味に
巡り巡って満月が浮いている夜に
轟音のように
その時が賦活する
たぶん
夜明けに向けて
そして
来るべき大いなる真昼に向けて
すべての忘却は収束する
でもきっと
名残はそのまま
そのまま
君を待っている
世界は無意味に充溢している
記憶が揺れている
風景が揺れている
すべてが曖昧で
意味をもたない存在が
はためいている
それは不思議な残像
永劫に
幾度も
繰り返される残像が
悲しみのなかで
揺り返す
そして時を刻む
はてしない意味と無意味の先に
玲瓏とした
世界があるから
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