熱帯夜/AquArium
 
に溶けながら
ぼんやり、理解している

ねえ
脈が速くなって
心臓が届きそうなのに

ねえ
どうして
まんなかは冷たいの

透き通るくらいの
細くて白い腕
もう、目を覚ましたくない
起き上がることを
本能が、
許さないでいる

あらゆる窪み、ふくらみ
その先にある血管に
あたしの血液を
流し込んで
ほら、
全身で震えてよ

ねえ
熱くて
熱くて
どうしようもない

どうせなら
ひどく噛みついて
派手に棄ててくれたら
この先の歩き方が
見えてくるのに、
残酷ね

ねえ、
どうしようもない





好きです

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